労働契約(雇用契約)

 労働者は、使用者の指揮命令のもとに労務を提供し、その対価として、使用者は労働者に賃金を支払います。民法や労働基準法は、労使のこのような関係を契約としています。つまり、採用が決定したときに「働く」という応募者の意思と「働いてもらう」という会社の意思が合致して労働することを内容とする契約が成立し、その契約が労使双方に権利を与え、義務を課す根拠となっています。

 この契約を民法では「雇用契約」(民法第623条)、労働基準法では、「労働契約」と呼ばれています(労働基準法第13条以下)。

労働契約(雇用契約)の期間

 雇用契約を契約期間の面からみると、「期間の定めがない契約」と「期間の定めがある契約」に分けられます。正社員は、通常、「期間の定めがない契約」で雇われているので、とくに期間の定めがあることが明示されない限り。期間の定めがない雇用契約が締結されているとされます。

 一方、期間の定めがある契約は、原則としてその期間中、労働者は労働する契約上の義務を負い、使用者はその期間中に労働させる契約上の義務を負うことになります。そして、「とくに止むを得ない事由」の無い限り、途中で退職したり解雇したりすることが認められず、これに違反すれば損害賠償を請求される関係になります。

業務命令

 一般に業務命令とは、就業に関する使用者の指揮命令と考えられています。所定労働時間内であっても、どの労働にどの程度服務するべきは、使用者の具体的命令によって決まります。つまり、労働契約は、細かい仕事の内容を決めないで、「使用者の指揮命令に従って就労する」という内容になっており、この労働契約を根拠として業務命令が発せられるとされます。どんな道具を使い、何の業務を、どの程度の速度で、どのような服装で、どのような態度で等は、いずれも企業内で確立された職制を通じて行われる業務命令によって指揮され、契約上の義務として、労働者はこの命令に従います。

 もちろん、業務命令といっても違法なものは拘束力をもたないし、契約の趣旨や労働慣行に反する業務命令も拘束力を持ちません。

誠実履行義務

 労働者は、業務命令について、誠実に履行する義務があります。労働者はその職務を遂行するに当たっては、最大限、企業目的に寄与、貢献するよう十分な注意を払い、信義誠実の原則に従って就労する義務を負います。これは「誠実履行義務」と呼ばれています。

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