是正勧告とは

労働基準監督者が発行する是正勧告書を甘く見ると大変なことになります。是正勧告とは、労働基準法101条に規定されている労働基準監督官の立入調査(臨検)において、法違反に該当すると認められる事項について労働基準監督署が、その是正を勧告することをいいます。 労働基準監督署の調査について労働基準監督署の調査は大きく分けて3通りあります。

 

1.設立間もない(概ね5年以内)企業や定期的に行っている調査

2.労災事故が頻発する事業所の調査

3.労働トラブルに伴い労働基準監督署に相談した場合の調査

その他、過去に是正勧告を受けた事案の是正報告の経過を調査することもあります。

1. 設立間もない(概ね5年以内)企業や定期的に行っている調査

 

一つ目の調査では、労働者名簿、賃金台帳、タイムカードの有無、就業規則の制定および届出の有無、36協定をはじめとする労使協定の届出、健康診断実施の報告等基本的な事項で、もし調査書類に不備があっても訂正、作成することで対応できます。最近、この定期調査で指摘されるのは健康診断です。法律上は採用時と年一回の定期診断が義務付けられていますが、設立間もない会社では健康診断を行っていない会社が大多数です。

この場合でも、是正勧告書による指導があります。

2. 労災事故が頻発する事業所の調査

二つ目の調査では、労災事故が頻発している事業所に立ち入り調査を行います。見るポイントは、労働者名簿、賃金台帳、タイムカードの有無、就業規則の作成および届出の有無、36協定をはじめとする労使協定の作成及び届出、健康診断実施の報告等基本的な事項は当然として、実際の作業所を詳細に調査します。この調査では労働基準法よりも労働安全衛生法の視点から調査していることが目立ちます。この労働安全衛生法の規則はとても詳細に規定されていて完璧に遵守している企業は少ないと思われます。特に製造業や建設業では○○作業主任者や○○技能講習受講者等の資格や研修義務の項目が複雑多岐にわたっています。

ですから当然、是正勧告書で指導される内容もこの部分が多いのです。この種の是正勧告では何月何日何の資格を取得する(した)、講習を受講する(した)等の是正報告をすれば解決です。

3. 労働トラブルに伴い労働基準監督署に相談した場合の調査

三つ目の調査では、一つ目二つ目の調査と違い労働基準監督官の力が存分に発揮されます。最近は解雇、残業代の不払い、減給等の労働条件引き下げが多くなっています。この中で労働基準監督官が一番s指摘しやすいのが「残業代の不払い」です。この問題を持ち込まれるときは労働者がタイムカードのコピーや自分で記録した労働時間と給与明細等の物的証拠を持参してきます。この物的証拠があれば労働基準監督官としては会社へ勧告することが容易になりますし、法的に遵守させる必要があります。

この場合の是正報告には、正しく計算された給与明細と本人(場合によっては全従業員)の領収書を添付しなければなりません。

一方、解雇や労働条件の引き下げはこれといった証拠が提出されず、その判断が会社側の主観が多く、労働基準監督官が指導、勧告できる範囲が限られてしまいます。例えば、会社が、Aさんは「能力不足である」という判断をした場合、労働基準監督署は「能力不足ではない」と言い切れないのです。

当事務所からのアドバイス

会社側が気をつけなければならないのは、第一に残業代の不払いをなくすことです。残業代を支払っていれば従業員の駆け込みはほぼありませんし、もし労働基準監督署の調査が入ったとしても労働時間の遵守の指導が程度で済みます。

 また、これまで実際にあった変わった調査としては、夜間に操業していた工場の近隣住民からの騒音苦情で、深夜に労働基準監督官が緊急に調査に入ったこともあります。この場合も労働時間の遵守の指導が入りました。そのほか、建設業や運送業、常時100人以上の労働者がいる事業所は調査対象になりやすくなっております。

 是正勧告を受けやすい項目を以下に挙げましたのでご参照ください。その中で1つでも当てはまる企業様は一度当事務所までご相談ください。

 

是正勧告を受けやすい項目

★是正勧告を受けやすい項目★

・残業代の不払い

・時間外・休日労働の労使協定(36協定)の未締結・未届

・雇用契約時の労働条件通知書の不交付

・就業規則や法定帳簿の未整備

・法定健康診断の未実施

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