1.割増賃金

 割増賃金は、時間外労働、休日労働、深夜労働を行わせた場合に支払いが義務付けられていて、その割増率は、次の通りに定められています。(労働基準法第37条)

@1箇月の時間外労働時間の合計が60時間までのとき、および深夜労働(午後10時から午前5時まで)については通常の賃金の2割5分以上の率

A1箇月の時間外労働時間の合計が60時間を超えたときの60時間を超える時間分は5割以上の率

 ただし、この5割以上という割合は通常の時間外労働の割増率である2割5分に更に特別の割増率として2割5分を追加したものですが、この特別の割増率の部分については、労使協定を定めることで、割増賃金の支払いに代えて通常の賃金を支払う休暇(代替休暇)を与えることができます。

B休日労働については通常の賃金の3割5分以上の率

 

ただし、この割増率の改正は平成22年4月1日から施行されていますが、当分の間、適用しない、と労働基準法第138条で定められています。

2.割増賃金の基礎とすべき賃金の範囲

割増賃金の基礎となる「通常の賃金」の範囲は、一般的に基本給と法律上除外してもよいと定められた賃金を除く各種手当です。法律上除外することが認められている賃金とは、次の7種類です。

@家族手当

A通勤手当

B別居手当

C子女教育手当

D住宅手当

E臨時に支払われる賃金

F一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

の7種類ですが、家族手当や住宅手当と称していても扶養家族や住宅ローン、家賃に関係なく一律に支給される手当は除外することができません。

3.割増賃金の時間当たり単価の算出方法

@時給の場合は、その時間給金額

A日給の場合は、日給額を一日の所定労働時間で割った金額

B月給の場合は、月給額を所定労働日数で割り、さらに1日の所定労働時間で割った金額ですが、月によって所定労働時間が異なる場合が多いので、労働基準法施行規則第19条で、年間所定労働時間を12で割って1箇月の平均所定労働時間数で割ることを認めています。

 

 ・月給のみの場合=(基本給+諸手当)÷1箇月の平均所定労働時間

 ・日給と月給が塀給されている場合

  =(日給÷1日の労働時間)+(支給される諸手当÷1箇月の平均所定労働時間)

C出来高給、歩合給の場合

  =(当該賃金計算期間の出来高給総額÷当該出来高給を得るために要した総労働時間)

 ただし、出来高給の場合には、時間外、休日労働にも時間当たり賃金が支給されていることなるので、0.25倍または0.35倍の割増分のみ支払えばよいのです。出来高給の場合でも時間外割増が必要だということが納得いかないことも多いと思われますが、法律上割増賃金の支払いが定められています。

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