
数か月前の話です。
顧問先の会社に勤務していて、夏ごろに65歳で定年退職した人から電話がありました。
この方は管理職でそれなりの給与がありました。
厚生年金の支給申請をしても全額支給停止になることを知っていたので、厚生年金の支給申請をしていませんでしたが、65歳定年退職を機に厚生年金、基礎年金の支給申請のご依頼をいただき、その時に名刺を渡していたので直接私に電話がありました。
具体的な相談内容を教えてもらえなかったので、大した資料の準備がないまま念のためにタブレットを持ち、約束の日時にその方のご自宅に伺うと、会社では見かけない笑顔で、ご夫婦でお待ちになっていました。
相談内容はというと、いわゆる終活。ここ数週間、急激に体調が悪くなり、病院で検査を受けたところガンと診断され、予想以上に進んでいたとのこと。
奥様が受給できる遺族年金のことを知りたかったとのことで、持参したタブレットで日本年金機構のホームページを見ながらご案内し、金額がわかりご理解してくれました。
ご相談が一区切りがついたときに、その方が言ったことが「ガンは親切だな」。
何を言っているのかと不思議に思っていたところで、つづけて「ガンは親切だな。終わりの準備ができるからな。これだけの時間があればいい準備ができるよ」。
そういう考え方もあるのだな、と思ったある日でした。